スポンサーサイト

Posted by pigmon2 on --.-- スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『天障院篤姫 上巻』

Posted by pigmon2 on 22.2008 読書 0 comments 0 trackback
 大河ドラマも終盤に差し掛かったというのに篤姫人気はまだまだ続いている感がある。それで今更ながら原作を手にしてみた。上下巻続けて読みたかったけど、図書館に上巻しかなくて取り敢えず上巻のみ読んだ。
 小説にしてもドラマにしても史実にない部分は想像して描いているだろうから、実際の人間関係や細かい描写はどちらが本当とは言えないけど、宮尾版を読んでいると大河ドラマは美化されているなと思う。
 今泉島津家のイメージからしてドラマでは長塚京三さんが貫禄のある主を演じていたが、宮尾版では忠興はかなり小心者。その分母親のお幸の方が芯の強い女として家を治めている印象を受ける。ドラマでは篤姫の兄はひとりしか出てこなかったが実際は3人いて、しかも3人とも体が弱く頼りなかった。その中で篤姫だけは心身ともに強くて小さい頃いじめられている兄を助けたりしている。

 やはりドラマでは描かれていなかったが今泉家にも側室はいて、篤姫は腹違いの妹たちの面倒をみたり母親の気苦労を身近に感じていた。大奥で水戸のご老公が忌み嫌われていたのは、大奥の予算を削られるというだけでなく、ご老公の女癖の悪さ、殊に姫君付きの老女にまで手を出したことを大奥の女達が怒っている。老女といっても年をとっているわけでなく、あくまでも役職名で若くてきれいな女もいる。ちょうど幾島や滝山のように一生独身を通して仕事に従事するいわば当時のキャリアウーマンで、男に愛情も生活の面倒もかけられない自立した存在であるが故相当なプライドを持っていた。ご老公が力ずくでセクハラしたことに相当腹を立てていて、まあそんなエピソードはNHKでは割愛されるだろうな、と面白く読んだ。

 ドラマの幾島は松坂慶子さんが優雅に演じていたけど、宮尾版では皺だらけのおばあさんでしかも額に大きなこぶがある。篤姫は最初彼女のことを「こぶ」と呼んでさえいた。強靭な神経の持ち主であるのは確かで篤姫がどんなに反発しても頑と構えるところは晴れ晴れしい。やはりドラマでは描かれていないが江戸に上がる途中船の中で船酔いした姫を自分も少しもどしながらも、しっかりと介抱する姿は印象に残る。姫もこの経験で幾島へ大きく信頼を抱く。

 女性の視点で書かれているせいか、宮尾版の女性たちは篤姫を筆頭にみないきいきしているのに対して、男性はなんだか魅力に乏しい。ドラマでは家斉と篤姫は仲のいい夫婦として描かれているが、こちらはまったく愛情のかけらも感じられない無味乾燥な夫婦関係を思わせる。本寿院と家斉の関係もドラマではまるでマザ・コンの母子みたいだが、こちらも愛情のある親子には思えない。実際に親子といっても人の手で育てられるわけだから、必ずしも親子の絆があるとは限らないのだろう。家斉が体が弱いため本寿院はもうひとり子どもをもうけようと年甲斐もなく頑張ったなんてことも書かれている。奥方にとって子どもは愛情の対象というより自分の立場を決めるべき存在なのかもしれない。

 ドラマでも慶喜はふてぶてしい存在だけど、宮尾版は更に輪をかけてムカつくキャラで、とても好きになれない。篤姫自身も何故島津の殿様がこんな男を押すのか疑問に感じる。おそらく水戸のご老公を見方に取り込むための手段だったのだろう。全幅の信頼を感じていた斉彬に疑惑を感じはじめるところで上巻が終わる。

 篤姫は確かに頭がよくリーダーの資質のある人だったのだろうけど、ドラマを見ていていつも、こんなに人間ができていたのだろうか?と疑問が生じる。宮尾版でも理想的には書かれているが、こちらのほうがリアリティーを感じる。下巻で家茂や和宮がどのように描かれるのか今から楽しみでいる。
 




 
スポンサーサイト

▶ Comment

▶ Post comment


  • password
  • 管理者にだけ表示を許可する

▶ Trackback

trackbackURL:http://cafedepigmon.blog75.fc2.com/tb.php/122-27e85a60

プロフィール

pigmon2

Author:pigmon2
ようこそお越しくださいました。
当カフェ・オーナーのぴぐもんです。申し訳ございませんがお飲み物はご自分でご用意ください。あなたの好きなドリンク片手に気楽に暇つぶししていってください。

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。