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『獲物の分け前』

Posted by pigmon2 on 04.2009 読書 0 comments 0 trackback
 ゾラのルーゴン・マッカール叢書のひとつです。ルーゴン家の次男アリステッドの成り上がり振りと息子マキシムと後妻ルネの不倫がストーリーの主軸になっているので、わりと読みやすい1冊でした。
 ゾラという作家は非常にシビアだと思う。居酒屋ジェルヴェーズテレーズ・ラカンテレーズも考えようによっては気の毒な人なんだけど、どういうわけかあまり同情を感じない。おそらく作家の書き方で読んでいるほうもクールに受け流してしまうんだろう。

 この本のヒロインルネにおいては同情のかけらも感じない。着飾ることと遊び暮らすことにだけにしか興味のない頭の悪い顔だけ女。不注意で子どもを身ごもってしまい、それをごまかすためにのみ年の離れた男と愛のない結婚をする。

 夫のアリステッドは出世のために彼女の父の地位が利用できることと財産目当てに結婚した。彼女の財産を元に財産を蓄積していって成り上がる。息子のマキシムは父のような野心もなく、働かず、ご婦人達の機嫌をとるのだけが上手い顔だけ男

 3人が3人それぞれ自分の道楽に酔いしれ遊び暮らす。そうしているうちはよかったが、ルネマキシムの関係が出来てから様相が変わってくる。ルネのほうは若い愛人に相当にのめり込んでしまうが、マキシムはあくまでも遊びの延長線上。やがてマキシムは父が財産目当てに縁組させた娘とあっさり結婚してしまう。

 マキシムに去られた後のルネはひどく惨めで、綺麗だった容貌もすっかり老け込んでしまう。この一家は3人が3人とも俗物であまり好感を持てない人達なんだけど、敢えて人間味を感じるのはアリステッドのみ。ルネマキシムは人生に希望も意義も見出せず、ただ意味もなく戯れ過ごすだけ。アリステッドのつくった大きな玩具箱の中に飾られた人形のようだ。

 この話の中にアリステッドの兄のユージェーヌと妹のシドニーが出てくる。どちらもタイプは違うが大きな野心を抱いた俗物で貪欲のルーゴン家を象徴している。ただ、この人達は居酒屋ジェルヴェーズの従兄にあたるのに作中ジェルヴェーズの名前は一度も出てこない。居酒屋のほうにもルーゴン家の人達の名前は確か一度も出てこなかった。同じパリに出てきている従兄妹同士が全く接点を持たないものだろうか?ちょっと不思議だ。

 この話は映画化されているようだが、映像にすると安っぽいよろめきドラマになってしまいそうな気がする。よろめきの話と並行して、急成長するパリでいわゆる地上げ屋のようなことをして成り上がるアリステッドの成功譚と当時のパリの移り変わりなどが描かれている。





 
 
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