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人物相関の表記について

Posted by pigmon2 on 14.2009 読書 0 comments 0 trackback
 ルーゴン・マッカール叢書を読み進む面白さは、どこか歴史小説に似ている。例えば織田信長の家臣・豊臣秀吉は信長の妹・お市の方を慕っていて、後にお市の方の娘・淀君を側室に迎える。淀君の妹はお江与の方で秀吉の宿敵・徳川家康の息子・秀忠に嫁ぐ・・・というようにかつて読んだ本の主人公に別の本で脇役として再会できる面白さがある。
 この登場人物相互間の繋がりがシリーズを読み進めていくうえでの醍醐味なのだが、読んでいてどうしても引っかかることがある。

 まず、伊藤桂子訳『ルーゴン家の誕生』を読んだ時、シルヴェールがアントワーヌを叔父さんと呼んでいた。アントワーヌはシルヴェールの母・ユルシュルの兄なのだから叔父ではなく伯父と書くべきじゃないのか?それからシルヴェールは本来おばあさんであるはずのアデライードもディット叔母さんと呼んでいる。この場合、おばあさんと云うべきとことを敢えておばさんといっているのだろうけど、アデライードはユルシュルよりはるかに年上なので伯母さんと表記するのが正しいんじゃないか?

 次に小田光雄訳の『プラッサンの征服』においてもフランソワとマルトは同じようにアントワーヌを叔父さんと呼んでいた。この場合、マルトの父・ピエールはアントワーヌの兄だから叔父さんでいいのだけれど、フランソワの母・ユルシュルはアントワーヌの妹なので伯父さんとすべきだろう。それからフランソワ=マルト夫妻から見たアントワーヌは、この場合ムーレ夫妻から見たと同義なのでやっぱり伯父さんになるだろう。

 フランスをはじめとする西欧諸国は兄弟間の年上年下についてあまり注意をしない。ハリー・ポッターの翻訳者松岡佑子さんがハリーの母・リリーと姉妹のぺチューニアがどちらが姉かを原作者に確認し1話ではリリーが妹としたのに、2話では原作者がリリーが姉と書いてきたので困ったと述べていました。どうも西洋人は年齢の上下に無頓着みたいです。

 それに比べて日本人は仮に双子であってもマナカナマナがお姉さん、ザ・タッチタクヤがお兄さんと上下をはっきり区別します。これって東洋人気質なのでしょうか?中国や韓国にもuncleに該当することばに自分の親の兄か弟かによって名称が異なります。韓国ではそのほかに父方か母方かによって更に異なるんだそうです。

 日本の場合発音は同じおじさん、おばさんですが自分の親の兄・姉か弟・妹によって文字は使い分けるのが常識だと思ってました。でもプロの翻訳家の先生が書かれているのできっと間違いではないのでしょうね。ただ読んでいてなんか収まりが悪い。普通のフランス文学なら兄妹の上か下かはたいした問題じゃないのかもしれないけど、ルーゴン・マッカール叢書は人物の相関関係や微妙な年代のズレなんかもシリーズ全体の流れに係わってくるはずだから、この表記はしっかり区別して欲しかった。

 上にあげた2冊は同じ論創社から出版されているので、おそらく編集の段階で叔父・叔母に統一する方針になったのかもしれない。ただ、いくら原作の国ではどうでもいいことでも日本語に置き換えるのなら日本の文化に照らし合わせて訳してほしいと思う。
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