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『ボヌール・デ・ダム百貨店』

Posted by pigmon2 on 07.2010 読書 0 comments 0 trackback
 『ごった煮』の最後でボヌール・デ・ダム服飾店の女社長と逆玉結婚したオクターヴ・ムーレのその後を描いた物語です。過酷な生活環境やら人間としての苦悩など何かと暗いイメージの強い叢書の中でオクターヴだけが華々しく意気揚々とした人生を歩んでいます。
 これまでこの叢書は『居酒屋』は新潮文庫、『制作』は岩波文庫、そして『獲物の分け前』はたまたま手にしたちくま文庫で読みましたが、そのほかのものは藤原書店のゾラ・セレクションか論創社のルーゴン・マッカール叢書のどちらかで読んでいました。面白いことに2社のラインアップはほぼ被らないのですが、何故かこの『ボヌール・デ・ダム百貨店』だけは両社から出版されています。

 ところで、いくつかある翻訳からひとつを選ぶとき何を根拠に選びますか?本の装丁とかページ数とか値段とかで選ぶ人もいるでしょうが、本好きの人ならばまず中身、文章を読んで決めるのではないでしょうか?実際私も図書館で2冊を少し読み比べてみました。まあ、同じ内容が書いてあるわけですから最終的には文章のニュアンスといったところでしょうか。文章だけで選ぶのならば実は論創社に軍配が上がったのですが、今回は藤原書店を選びました。その所以は挿絵。論創社よりも藤原書店のほうがふんだんに使われていたんです。その当時のファッションとか建物とか、やはり言葉だけでは想像しきれない部分があります。挿絵って大切なんだなと改めて思いました。

☆★☆両親を亡くし二人の弟を連れて田舎からパリへ出てきたドニーズは叔父の店で働かせてもらおうと尋ねてくる。ところが叔父の店をはじめ近隣の商店街は近くにできたボヌール・デ・ダム百貨店によってもはや倒産寸前に傾きかけていた。ドニーズはボヌール・デ・ダムに就職することが出来たが、職場のいじめや嫌がらせに会い辞めさせられてしまう。

 失業中、元同僚の店や変わり者の傘屋ブーラの店で働かせてもらい商店街の人たちの苦悩を目のあたりにする。それでも彼女はボヌール・デ・ダムの新しい商売の魅力に取り付かれてしかたがない。そんな折、社長のオクターブ・ムーレと再会しボヌール・デ・ダムに戻ることになる。社長に目をかけられたおかげで彼女の社内の待遇は前と比べ物にならないほど良くなる。もともと仕事が好きだった彼女は有能なスタッフとして周りからも認められるようになる。

 同僚達はオクターブとドニーズはてっきり愛人関係にあると思いこんでいたものの、ドニーズはオクターブの誘いに簡単には落ちないで貞淑を守る。オクターブの元愛人の女性とのいざこざなどがあり、最後の最後は二人は結ばれ店も栄えるというハッピーエンドで終わる☆★☆


 一族の中の男性で好きなキャラクターってなかなかいないのですが、オクターブは何故か好感が持てる人物。といって人間が出来てるというわけでもないんですよね。どちらかというと俗っぽくて野心家なんだけど、ある意味能天気で楽観的で憎めないんですよね。真面目だけが取り得の弟のセルジュとは正反対。話が上手く運びすぎる感はあるものの売り場面積を増やし、従業員を増やし、次々と新しい企画や戦略をしかけていくオクターブの手法は読んでいてわくわくさせられる。

 ゾラ特有の人間模様もまた面白い。デパートが好きであれこれ見るだけ見ておいて何も買わないご婦人や、欲しくて欲しくてしょうがない誘惑に負け万引きしてしまうご婦人。女性店員同士のいびりやいじめもさることながら、男性店員がまたなんとも厭らしい。ご婦人達に気に入られるように媚び、同僚の女性はライバル視するあまり女性としては扱えない、それに男同士の足の引っ張り合いは女性店員以上に辛辣。いるいるこういう男達!!って思わず叫んじゃいました。今も昔も販売の現場ってそう変わってないんだな。





 
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