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『There 's Nothing to Be Afraid Of』

Posted by pigmon2 on 09.2011 ミステリー 0 comments 0 trackback
 シャロン・マコーン・シリーズの(Doubleをのぞいて)6作目です。実は年代順に読み進んで行き、ここまでは完読していたはずでしたが、最後がまったく思い出せないでいました。シャロンがキャロラインと一緒にドンのラジオ番組に出演するところまでは読んでいくうちに思い出しましたが、そのあとはおそらく読んでいないでしょう。最後まで読んだつもりになっていたみたいです。
 この後、年代順に本が手に入らなくてThe Shape of DreadWhere Echo Livesを完読したはずですが、そちらもどこまで覚えているのか、しっかり読んだのかはあやふやです。最後まで読んでいたにしろ、やはり英語で読むのは日本語で読むのとは違って記憶に定着しないんだと改めて思いました。
 サンフランシスコのテンダーロイン地区はベトナムからの移住者が急増して今やベトナム人街のようになっていた。シャロンはベトナム移住者を支援するNPOの職員、キャロライン・ブイからの依頼でテンダーロインにあるグローヴ・ホテルにやってきた。ホテルといってもベトナムからの移住者が定食を得て自力で家を借りられるようになるまでの暫定的な借り住まいというところ。

 キャロラインから紹介された家族はベトナムレストランを営むヴァン一家。夫婦と7人の子ども達が2DKのアパートにひしめき合って暮らしていた。ヴァン夫人からの依頼は最近ホテルの階段に怪しい影が現れたり、エレベーターの電源が切られたり、何者かに脅されているようだということだった。当初はティーンエイジャーの悪戯であろうと思われたが、操作中にホテルの地下室でヴァン家の長男デュークの親友ホア・ディンが死体で発見された。

 その翌日、ヴァン家の娘ドリークリスタル・パネル・シアターでそこのオーナーでありポルノ映画のプロデューサーとして有名なオティス・ノックスの死体を発見する。その後、兄のデュークが失踪する。ドリーは映画に出演したいためにノックスとつきあっていた。またデュークや彼の友人達は自分の姉妹が白人の男と付き合うことにナーヴァスになっていた。ドリーにもデュークにも殺人の動悸がある。しかしホアの事件とは繋がらない。


     ★      ★       ★       ★        ★


 今回は事件とは関係ないところでオール・ソウルズ法律事務所内で、ハンクを中心といた昔からのメンバーとギルバートを中心とした若い合理的なメンバーの間にちょっとした対立があった。当初は新勢力に押されて生気を失ったハンクだが、最終的にはベテラン弁護士の説得力?でハンクがギルバートをやり込める。ハンクとギルバートの論争?もだが、シャロンとギルバートの口げんかも面白い。

 私生活では、ドンといいパートナーになりつつある中、いまだにグレッグに未練があるようで・・・困ったものだ。遺体発見後、取調べを終え自宅まで送ってくれたグレッグにワインをもてなしている時なにやら意味深なムードになってしまい、何とか断ち切ってベッドに潜り込むと、中には既にドンがいた。
「ああ、よかった。今夜は3人でベッドをシェアしなければならないかと思った」
ドンのユーモアはほっとさせられるものがある。

 本書でもうひとつのトピックはシャロンとキャロラインがドンのラジオ番組に出演すること。キャロラインがベトナム移住者の現状を訴え、シャロンはデュークの行方をリスナーに問いかけた。デュークを見かけたというリスナーはいても勘違いだったが、キャロラインのほうは移住者に部屋を提供したいと申し出てくれるリスナーが数人現れるなどいい成果が得られた。本番前のシャロンの緊張ぶりがとっても可愛い。

 「ベトナム人はサンフランシスコから出て行け!」
と書かれたらくがきなど人種や社会的弱者に対する偏見や差別などは全編通して随所随所に垣間見られる。またドリーをはじめ少女達はアメリカンナイズされ、英語の名前を名乗る中、長男のデュークだけが自分の綴りはベトナム式にDUCで、英語のDUKEじゃないと主張する。そしてある時ぽつりと
「ベトナムに帰りたい」
と洩らす。両親や弟妹の手前言えなかった本音が思わずでてきた。環境への適応は女よりも男のほうが遅い。そのぶん余計に悲壮感を味わわなければならない。

 もうひとつ、人種や経済格差を超えた差別が存在していた。ホテル近くの花屋の店員サリー・ハイドは若い頃子守を頼まれた親戚の赤ん坊を誤って殺してしまい、殺人犯として服役していた過去があった。勝手もわからず、なかなか泣き止まない赤ん坊にイライラして思わず顔に枕を被せてしまった。赤ん坊は窒息死、サリーは捕らえられた。日本だったらこんな場合情状酌量になるだろうし、むしろ赤ん坊を若い娘に預けて遊びに行った両親に非難の矛先が来るであろうに。

 「太っていて不細工なサリーは、祭りに行っても楽しむことはできないだろう。サリーを家に閉じ込めておけ。そのほうが誰も彼女の醜い姿を見ないですむ・・・みんなそんな風に私をあしらった」
サリーのストレスは子守を頼まれた以前に存在していた。

 2つの殺人事件の犯人もある意味抑制されたストレスを抱えた存在だった。罪はあくまでも罪であるが、犯人の行き場のない悲しみもまったく理解できないものではない。
 




 
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