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『Eye of the Storm』

Posted by pigmon2 on 17.2011 ミステリー 0 comments 0 trackback
シャロン・マコーン・シリーズ7作目です。今回はサンフランシスコを離れカリフォルニア郊外のデルタ地帯、妹パッツィーが暮らす川べりのB&B、ボーテルが舞台です。
 『ダブル』でもシャロンの家族関係が垣間見られたけれど、今回は妹パッツィーがクローズアップされます。パッツッィーは兄妹の中でも特に自立心が強いほうで、ティーンエイジャーの時に家出をするものの自力で生計を立てていた。それぞれ父親が違う3人の子どもとともに郊外の農場で自給自足の生活をしていた。

 ある金曜日、シャロンの元に来たパッツィーは新しいパートナーと古い屋敷をリフォームしたボーテルの運営に携わると話した。農場は売り払った、新しいパートナー、エヴァンスはフランスで修行したコックで彼がボーテルの料理を担当しパッツィー自身はインテリア・コーディネーターとして係わるとのことだった。

 ただ・・・何者かがボーテルの運営を快く思っていなくて妨害しているようだとパッツィーは不安をもらす。昔ネイティブ・アメリカンの男が家主に殺されたいわくつきの古城で、幽霊を見たといって従業員が逃げ出してしまったり、殺された男が吊るされていた樹に人形がくくりつけられていたり、ゴキブリが大量に発生したり、変なことばかりが起こるのだという。

 謎を解くためにボーテルのあるアップルビー島に乗り込んだシャロンは妹の子ども達、新しいパートナー、エヴァンスに会う。エヴァンスの親友で経営者のニール、中国系の財務マネージャー・アンジェラ、ボートハウスの管理人・ステファニー、総支配人・デニー、ボートの操縦士マックス・ショーキー、ニールの兄でファイナンシャルプランナーのサム、アンジェラの祖父ティム・チョイ・ウォンと知り合う。

 島に到着した翌日、シャロンはボートの中にいるマックスが何者かに襲われるところを目撃してしまう。マックスの元に駆け寄ったが既に死んでいた。しかも操縦士を失ったボートは風に流されてどんどん屋敷から遠ざかってしまうため、シャロンは自力で脱出して屋敷まで戻る。

 その翌日パッツィーの薬のおかげで酷い高熱から回復したシャロンは、ホテルの会計に不正があることに気がつく。そして何者かがサムにホテルの経営がおかしいと密告していたこともわかる。夕方、屋敷を訪れた保安官は、ボートは見つかったがマックスの死体が見つからなかったこと、嵐がくるので避難するよう勧告した。しかしニールは頑として動こうとはせず、パッツィーもドラマチック気分で嵐を乗り切ろうと提案する。

 その夜、病床にいたティム・チョイ・ウォンが亡くなった。医者が嫌いで薬も飲まなかった老人について誰も病死を疑わなかったが、現場の状況からシャロンは何者かが枕で窒息させたと気づく。外部から隔離された孤島の古城に殺人犯を含むメンバーが顔を突き合わせて嵐の一夜を過ごす。
 
 ☆    ☆     ☆


『そして誰もいなくなった』に代表される世間との隔離空間における殺人事件ですね。金田一少年やコナンくんには度々でてきたシチュエーションです。これまでのシリーズでは犯人を突き止めると犯人の告白というか言い訳が語られるのですが、今回は逃亡しようとする犯人をシャロンが追いかけ無言のバトルが続く・・・という結末です。なので犯人側の言い分を全く聞かず推測で事件を解決した感があるのためややすっきりしません。ただ、現実には犯人が捕らえられる寸前に自分の犯罪の言い訳をする・・なんてことはありえないでしょうね。

 『There is Nothining to be Afraid of』でもヴェトナム系難民のことが語られていたが、本書でもデルタ地帯における中国系移住者の苦労がさり気なく語られている。また苦労というほどではないが、サムが学生時代にアンジェラに交際を申し込んで断られた話が語られている。断った理由は、
「私は中国人であなたは白人だから」

アメリカは移民の国、最初に移住してきた祖先は誰でも移民になる。ただ、イギリス系やドイツ系などの白人と違い有色民族は単なるストレンジャー以外の疎外感を味わっている。
   

 事件を解くにあたって活躍してくれたのが、シャロンの甥、パッツィーの長男アンドリューだ。シャロン伯母さんと会えて素直に喜ぶ幼い妹達とは対象的に、彼は最初反抗的な態度を示す。その上ややお騒がせな行動をとるのだが、11歳という年齢を考えれば当然のことともいえる。

「パッツィーはあなたにエヴァンスのことをどう話したの?」
「ただ、彼はいい人で、ママは彼を愛してるって。でもママはトムもジャーミーも愛してたんだ。彼らがいなくなって、今度はエヴァンスを愛した。それにママは僕らにエヴァンスを父親のように接してほしがるんだ」

「あなたはエヴァンスが好きじゃないの?」
「いい人だよ」
「でも彼はあなたのパパじゃないのね?」
「新しい父親と暮らすには僕は大きすぎるんだ」
「じゃあ、彼はあなたと友達になれるかもしれないわね」
「いや、友達にしては年を取り過ぎてる」

 パッツィーは確かにマコーン家の兄妹の中では自立心に富んで母親としてもどっしりと構えている。ただ、女としては奔放なようで入籍・結婚という決まりきったパターンに嵌ろうとしない。ひとりの男に縛られたくないのだろう。そのため子ども達は母親の都合で見ず知らずの他人を父親として迎え入れなければならない。
 

 事件を解く鍵はシャロンがニールから借りて読んだ『アップルビー家の歴史』の中にあった。ちょうど金田一シリーズの八つ墓村伝説とか悪魔の手毬唄のようなものだろうけど、リンクさせるのは難しかった。マーシャ・マラーにしては珍しいこういう古典的手法もたまにはいいですね。





 
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